布施剛臣建築設計事務所布施剛臣建築設計事務所

2026.04.24

キッチンがつなぐ地域共生

山形市あこや町にある障がい児通所支援施設「アジェンダやまがた」では、利用登録者の増加や新規事業の立上げに対応するため、隣接する旧ガッタハウスを活用した第二期の改修設計が始動しています。

今回のコンバージョンで新たに開設を目指すのが、不登校児による高齢者向けケータリングサービス事業「つながるキッチン」です。
この事業では、不登校児がスタッフのもとで調理・配食・接客・運営に関わりながら社会性を育み、同時に地域の高齢者宅を訪問し、軽食のケータリングと傾聴サービスを通して孤立の解消を目指します。

本日の調理実演会では、キッチンメーカーの協力のもと、導入予定のスチームコンベクションオーブンなどを使用し、配食サービスを想定した調理検証を行いました。
クッキーやパンを中心に調理工程を実際に体験し、作業動線や衛生管理、オペレーションについて理解を深めることができました。

スチームコンベクションオーブンは、複数のメニューを同時に調理しながらも短時間で安定した焼き上がりを実現し、食材の風味やしっとりとした食感もしっかり保たれていました。限られた人員でも品質と効率を両立できる可能性を強く感じる機会となりました。

7月からはいよいよ改修工事がスタートし、10月の事業オープンに向けて、「つながるキッチン」は具体化の段階へと入ります。

この事業は、不登校児の社会復帰支援と独居高齢者の生活支援を融合させた、地域共生社会の実現を目指す新たな取り組みです。
不登校児が社会とつながり、高齢者が安心して暮らせる地域をつくるために、オープンまでに打合せやシミュレーションを重ねながら課題を一つひとつ乗り越えていきたいと考えています。