布施剛臣建築設計事務所布施剛臣建築設計事務所

2023.11.09

最上高湯善七乃湯・「Works」更新

今年の5月に竣工した「最上高湯善七乃湯」を「Works」に追加しました。

標高880mにある雄大な自然に囲まれた開湯1,900年の歴史を持つ蔵王温泉の旅館「最上高湯善七乃湯」において、3つの露天風呂の改修計画を行いました。

3つの露天風呂とは、既存の男女の内湯から続く隣り合った各々の露天風呂を一つにして家族や友人と「湯浴み着を着て入浴を楽しめる露天風呂」にするリニューアル、現在4つある離れの貸切露天風呂の間の空いたスペースに「石切り露天風呂」と「サウナ露天風呂」を加える新設、となります。

また、本計画はコロナ禍で影響を受けた観光地の回復を目指し、建物単体だけでなく当該エリア一体の再生計画に対して支援を行う、観光庁の「観光地再生高付加価値化補助金事業」の一つです。

一年を通して多くの観光客が訪れるこの場所において、蔵王の風景を引き寄せることをテーマとしながら、3つの露天風呂それぞれで利用者が温泉と四季折々の自然をゆったりと楽しむことのできるスペースとなることを目指して計画しました。

さらには、既存の貸切露天風呂の間の適度な場所に新たな露天風呂をプロットするとともに、これらを散策できるひとつながりのアプローチ路「湯巡り通り」を意図的に建築として新たに設けました。この通りが当旅館の新たな魅力やにぎわいにつながればと考えました。