2023.11.20
庭を紡いで風土を引き継ぐ
敷地内の木々が少しずつ色付き始めているなか、「谷地の住宅」の歴史の詰まった既存中庭の調査を行いました。
これまではこの中庭を大枠として捉えていましたが、一つ一つの樹木の樹種や幹回り・枝張り、庭石の大きさなどを調べて図面に詳細を落とし込んでいきました。
庭の専門の方や建主さんにお話を聞きながら作業を進めていく中で、石灯籠・石橋や敷地の奥にある山に見立てた大きな庭石などが「山水庭園」の表現として各所に配置されていたことがわかり、先祖の方々がこの庭を大切にしてきた想いや歴史を僅かばかりではありますが感じることができたような気がしました。
今回の建て替え計画に当たってこの敷地の文脈が色濃く残る中庭を建物と有機的に紡いでいくことは、「河北の風土を引き継ぐ」という本計画のテーマの実現に向けた重要な一つの要素なのだと改めて感じました。