布施剛臣建築設計事務所布施剛臣建築設計事務所

2024.07.23

風土に根ざした木架構デザイン

「谷地の住宅」は木造の架構が組み上がり、建物のシルエットが緑豊かな田園風景の中に少しずつ浮かび上がってきました。

この住宅は河北の周辺環境や風土を踏まえ、各階に設けた勾配の異なる2枚の切妻屋根で2階建ての建物を各層で分割して全体のボリュームを抑えた構成としています。

これらの形の原型となるキレイな木架構を少し離れた場所から眺めながら、スケール感や集落とのバランスを確認することができました。

玄関ポーチの大屋根を支えている鉄骨の丸柱は、ポーチの先に続く庭先のプロムナードや田園風景への軽快な抜けをさらに引き出してくれています。

2階のアトリエスペース・吹抜け空間は屋根形状がそのまま反映された勾配天井として、南東面に広がるのどかな風景を眺めながらゆったりとできる場所となります。
登り梁の間に大入れ加工によって細かいピッチで落とし込まれた垂木の連なる姿にも満足しています。