2025.01.27
一人の建築家を偲ぶ
昨年の12月16日に建築家の谷口吉生さんが亡くなりました。
現在進行している各プロジェクトが一段落したこのタイミングで、ようやく本人の実作「齋藤茂吉記念館」を改めて訪れ、建物を見て回りながら故人を偲ぶ時間を過ごすことができました。
思い起こせば、大学で建築を学び設計事務所で実務に携わり独立した現在まで、様々な節目で谷口さんの建物を訪れ、一切の無駄を削ぎ落とし凛と佇むその空間に身を置きながら、何度も心洗われ次のステージに向けた建築への活力を頂いて来ました。
土門拳記念館、豊田市美術館、東京国立博物館法隆寺宝物館、鈴木大拙館、京都国立博物館平成知新館、長野県立美術館東山魁夷館、訪れた建物を振り返ると、そこで受け取った当時の感動や想いが蘇ってきます。
これからも設計活動を続けていくなかで、谷口さんが求めた建築の意味をほんの少しでも感じて理解できるよう、また節目ごとに彼が遺した各地の建物に訪れ続けていきたいと思います。