2025.11.06
奈良沢を肌で感じる

天童市にある「奈良沢の住宅」のプロジェクトがまもなく始動を迎えるにあたり、紅葉が深まる秋晴れの日に現地で街歩きとフィールドワークを行いました。
敷地は天童市南東部、貫津沼のほど近くに位置し、背後には「出羽の三森(みつもり)」と呼ばれる舞鶴山・八幡山・越王山が連なります。古くからこの山々は田を潤す水源として地域の生活を支え、この地域の風景の一部となってきました。

まず今回計画する敷地周辺を歩いて印象的だったのは、背後に迫る越王山の存在感です。敷地の奥では紅葉した里山と庭のハナミズキやモクレンなどが重なり合い、「山を背に庭を前に抱く」構図に、この土地ならではの暮らしの原型を感じました。
街道沿いには昔からの名残のある建物も点在し、石垣や生け垣と一体となって穏やかな集落景観を形づくっています。少し離れた場所から集落全体を眺めると、田畑の向こうに「出羽の三森」の稜線が見え、「山並み・田畑・集落」が水平ラインに層をなして素晴らしい風景となっていました。

これから始まる計画では、こうした地形や風景を大切にし、南東に開く眺望軸を確保しながら、里山の稜線を生活の背景とした住まいの姿を思い描いています。
敷地内にある既存の庭木も生かし、内と外が緩やかにつながる空間をつくることで、奈良沢らしい四季の移ろいが住まいに滲み込むような住環境を目指したいと考えています。