2025.01.28
省エネ健康住宅を体感する
「谷地の住宅」は引渡しを終え、建主さんが住み始めてから2ヶ月余りが経ちます。
完成後も様々な打合せでお伺いするたびに、冬でも暖かい「やまがた省エネ健康住宅(等級:Y-G3)」の断熱性能や快適性について建主さんからいろいろな感想を頂いてきました。
今日の打合せでも薪ストーブの前に座らせてもらいながら、
この心地よい暖かさは、薪ストーブがもたらす輻射熱・断熱性能による壁面温度の高さ・高断熱サッシによって窓辺から冷気を感じないこと、これらが要因であることを直接肌で感じることができました。
打合せ後には、1ヶ月前から置かせてもらっている温湿度計からの温度分布データのエクスポートと、持参した表面放射温度計によるリビング空間の床壁天井の温度測定による、2つの数値検証も実施させてもらいました。
温度分布は1月で朝の冷え込みが最も厳しかった1月27日をピックアップしています。(上図参照)
以下のことがわかりました。
・薪ストーブのあるリビングは、比較的に室温が低くても輻射熱により壁面温度が高いため、温度分布の数値では測れない体感的な暖かさがある。
・薪ストーブのあるリビングは、就寝前に暖房を停めても冷え込みが最も厳しい朝に16.8℃を下回らない。
・暖房のない玄関前の廊下は、冷え込みが最も厳しい朝に12.3℃を下回らない。
・暖房のない玄関や廊下に出ても、一日を通して冷やっとした寒さを感じない。
次に、放射温度計によるリビングの床壁天井の温度測定結果は以下の通り。
・リビングの室温(一般部) 19.5℃
・リビング床の表面温度(一般部) 19.8℃
・リビング壁の表面温度(薪ストーブ正面) 27.1℃
・リビング壁の表面温度(一般部) 20.5℃
・リビング天井の表面温度(一般部) 22.9℃
リビングの室温よりも床壁天井の表面温度が全ての箇所において高く、薪ストーブと仕上げ材から放射する熱が質の高い心地よい暖かさを形成していることがわかりました。
断熱性能を高めることとオープンなプランを組み合わせて目指したものは、「街や風景と適度な距離感を保ちながら、雪国の寒い冬でものびやかで開放的に過ごせる山形ならではの住まいのあり方」です。
今日の体験を通して、目指してきた住まいの実現にまた一歩近づけたと実感することができました。