布施剛臣建築設計事務所布施剛臣建築設計事務所

2022.03.30

自然と人の営みの未来

JIA山形地域会の活動の一環として、ラジオモンスターの「日替り専門家情報 まじゃって楽しい街づくり」に出演してきました。

昨年の6月から始まったJIA山形地域会会員のリレー方式による令和3年度の年間テーマは、これまでの東北で起きた様々な自然災害を踏まえ、「自然と人の営みの未来を考える」でした。
テーマに沿いながら、今日の出演では「自然と人の営みの未来を”住宅”から考える」という題材でパーソナリティーの菊地喜美子さんと一緒に話をさせてもらいました。

住宅レベルとしては”外”と”住まいにおける人の生活”を「適度な距離感で保つこと(近すぎず離れすぎず)」が今後に向けた一つのあり方なのかなあと話をしました。

昨年住宅雑誌「イエココロ」に掲載されたお宅を例に、適度な距離感を保つために取り上げて説明した項目は以下の2つです。
1.自然と近づきすぎずに適度な距離感を保つこと
→建物に軒・庇をもうけて自然と人の生活に中間領域や間(ま)をつくる
2.自然と離れすぎずに適度な距離感を保つこと
→設地性を保ちながら中間領域を介して地面や緑とほどよくつながる

このような要素を取り入れながら、自然に対して建物や人がもっとおおらかでいられるような、適度な関係・安心して暮らせる関係をつくっていければと考えています。

2022.03.14

春の訪れとともに

「円応寺の住宅」は外廻りの検査を終え、足場がようやく外されました。
例年以上に雪深く厳しい冬だったからこそ、まもなく来る春の訪れと相まってまちに少しずつ表れ出した建物の表情を見てとても晴れやかな気持ちとなりました。
明るい下見板張りの外壁と杉板の木材がまちに対してちょっとした軽やかさとぬくもりを与えられたらと思っています。これから設置される板塀と「ウチニワ」の樹木がさらに表情を引き締めてくれる予定です。

内装工事も順調に進んでいます。
1階と2階の中間層に設けられた、家族みんなで使える眺めの良い「ワークスペース」はこの建物の特徴の1つです。
スキップフロアにあることで上下階の窓や各部屋からまちの景色や職人さんの動きがあちこちから飛び込んできて、高低差を利用した空間の楽しさをしっかりと確認することができました。

2022.02.08

小さな家をつくる

旭化成建材さんの主催による本日のWEBセミナー「ネオマアカデミー」では、建築知識ビルダーズ編集長の木藤さんからこれからの家づくりについて話をいただきました。

3つのテーマの中で特に印象に残ったのが「小さな家」についての内容でした。ウッドショックを始めとする各種資材の値上がりやサスティナマインドの高まりを踏まえ、延床35坪×80万=2800万円の住宅より延床28坪×100万=2800万円の小さくて高性能な住宅を目指すという考え方です。

小さな家をつくる主なポイントは以下の通りです。
1.敷地に対してひと回り小さくつくる
2.余白に屋外空間をつくる
3.使える屋外空間にする
4.広いリビングの概念を取り払う
5.造作で居場所をつくる
6.カウンターキッチンをやめる
7.際(きわ)まで使う

弊社で現在工事中の現場や計画を進めている物件においても、様々な条件を加味したコンパクトな家づくりの流れが来ています。
今日の内容も参考にしながら、コンパクトでありながらも快適で心地よい家づくりを目指してさらに設計を突き詰めていきたいと考えています。

2022.01.26

音楽でこころを育む

昨年の12月1日に移転オープンを迎えた障がい児通所支援施設「音楽なかまプリモ・アンジェリ」は、春先の舗装工事やその他諸工事に向けて現在細部の打合せを重ねています。

打合せをしながら、たまに別の部屋から音楽を通して子供さん達と生き生きとレッスンをしている様子が聞こえてくると何か嬉しい気持ちになります。
音楽療育による成長を分かち合う場として定期的に行われているドルチェットコンサートや日々の活動を見せてもらいながら、今回の業務を通して音楽が育む様々な力を改めて実感しています。

 

2022.01.17

暖かい断熱住宅に向けて

「円応寺の住宅」は雪が降り続く中、完成に向けて順調に工事が進んでいます。

建物の外観シルエットが出来上がりつつあることに伴い、片流れの屋根形状をそのまま反映した室内空間も徐々に浮かび上がってきました。

そのような中、暖かい住まいに向けて大切となる断熱工事・気密工事もいよいよ本格的にスタートしました。
熟練の職人さんによって、高性能グラスウールの充填から気密シートの取合部のテープ張りまでを丁寧に施工してもらっています。

木造の架構も本住宅の特徴の一つです。大工さんの細やかな作業によって、木組みをそのまま現した垂木の連なりも良い表情となっています。

2022.01.01

謹賀新年

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年中はお世話になり、ありがとうございました。

事務所開設四年目という新たなステージを迎えた昨年は、軒やテラスを取り込んで雪国山形ならではの豊かな暮らしをデザインした「住宅」や、昭和五十年代の既存建物を利活用してコンバーション改修を行った「障がい児通所支援施設」などを完成させることができました。

開設当初に掲げた、地域の街並みを明るくてらすというテーマをさらに突き詰めながら、山形の良質な建築ストックとなる建物をつくっていけるよう、設計に取り組んでいきたいと考えています。

それでは本年もどうぞ宜しくお願い致します。

2021.12.13

住宅雑誌「IECOCORO」

求人ジャーナルが発行する注文住宅・リフォームからリノベーションまで家づくりに関する様々な情報を載せた住宅雑誌「IECOCORO(イエココロ)」の山形版に今年の4月に外構までが完成した「小白川の住宅」が紹介されています。

省エネルギーで断熱性の高いQ1.0住宅の性能基準を満たしつつ、今回の住宅で取り組んだ軒の深いテラスと室内が緩やかに繋がった雪国ならではの快適で豊かな暮らしのデザインについて、記事を取り上げていただいています。

本日12月13日より山形県内の各書店のほか、ネットでもお買い求めいただけます。家づくりに興味のある方はぜひご覧ください。

2021.12.03

断熱を木の塊から考える

もるくす建築社が手掛けた秋田県内のオフグリッド住宅、アトリエ、レストランなどを代表の佐藤さんに解説してもらいながら巡る視察見学ツアーに参加してきました。

サスティナブルな建物づくりを実践されていて、消費エネルギーの削減に留まらず地域のマテリアルを積極的に活用することで、秋田の風土性がとても表れていました。

特に印象的だったのが「美郷のアトリエ」。在来軸組、付加断熱の次を見据えた「木造3.0」と本人が名付けた「木の塊」の建築で、315㎜厚の木材積層パネルを壁とし、屋根には455㎜ピッチの梁が架かるつくりでした。
木のボリューム・土塗り床・石積み・漆喰壁などを組み合わせ、蓄熱と調湿による新たなサスティナブル木造の室内環境の心地よさを自分の肌で体感できたことはこの上ない経験となりました。